左より:黒田辰秋 金溜大名縞吹雪 共箱 w7.5×h8.8 (cm)/ 黒田辰秋 螺鈿銀溜流渦文中次 共箱 w7.0×h7.4 (cm)
大場松魚 平文朝 箱 c.1981 w28.5×d16.8×h14.6 (cm)
らでん-螺鈿とは、主に工芸品において、貝の真珠層を薄くはがしてデザインに合わせて切り器面に象嵌したもので、日本には9世紀ごろに伝わり、奈良・平安時代ころに隆盛を極め、以来漆芸の歴史の中で脈々と受け継がれている技法です。誰しも海辺で拾った貝殻の青白いきらめきには記憶があることと思いますが、人々は古来よりその典雅な美しさに魅せられ作品へと昇華してきました。
本展では、メキシコ鮑貝の力強い輝きをシンプルなデザインに活用した黒田辰秋(1904-1982)、平文をはじめとする確かな古典技法と近代的意匠で知られる大場松魚(1916-2012)、正倉院宝物など中世以前の伝統技法からインスピレーションを得た作風で知られ、螺鈿の重要無形文化財保持者でもある北村昭斎(1938-)といった巨匠をはじめ、現代作家では、夜景や月の映りこむ水面などを漆と螺鈿を用いて現代的に表現し続けている三好かがり、金沢をベースに活躍し、螺鈿の繊細な加飾と、掌中で眺めたくなる愛らしさとユーモアのあるデザイン感覚で完成度の高い作品を生み続けている山村慎哉(1960-)、徹底した古典研究に加え、最先端の技術も取り入れながらほとんどの工程を自らで行い、妥協のない超精細な制作で「和功絶佳展」(2020、パナソニック汐留ミュージアムほか) でも注目された橋本千毅(1972-)による、時代を越えた螺鈿・漆芸の世界をご紹介いたします。
展覧会中に出品作品を弊社オンラインでも詳しく見て頂けます。
出品作家(50音順):
大場松魚・北村昭斎・黒田辰秋
橋本千毅・三好かがり・山村慎哉
会期:
2022年10月14日(金)-16日(日)
会場:
東美アートフェア 2022
ブース 4-16
※ご入場は有料チケット制でございます。詳しくは当店にお尋ねください。